オナモミとれた

2013.2.3

「冷たい熱帯魚」を借りた。
園子温の映画を初めて見た。
先だって色々な人から感想を聞いていたので、身構えてみていたせいなのか
後味の悪さを感じることはなかった。

新井英樹の「ザ・ワールド・イズ・マイン」で描かれる倫理観になんとなく重なるなあと思った。
モンが村田なら、トシが社本のような。

最後の方で社本が家族に向かって手を挙げて「よっ」と言う
あのシーンがいい。
刃物で攻撃する社本にたいして、抵抗する娘が「やめてよ」とは言わないのもよかった。

普段の生活からかけ離れた突拍子もないことに突然巻き込まれるって
誰にでも起こる可能性があるんだよなー なんて思いながら振り返っていたら、
大げさすぎる血まみれの描写や、過激な効果音があまりに劇的すぎたのがさいわいして
映画のどの部分にも移入することなく見ていられたのかもという気がした。

見終わった後にもし落ち込んだ場合の打開策として
うる星やつらの「ビューティフル・ドリーマー」も借りておいた。これも前からみたかった映画。
寝る前にちょっと流そうと思ったら、
冒頭の辺りが大長編ドラえもんのパラレル西遊記ばりに、
抜け出せないアナザーワールド感に溢れていてとてもやるせなかった。

ラムちゃんは本当に「~だっちゃ」って言うんだ!なんて感動していたのは
あの瞬間世界のどこを探しても私一人だけだったんだろうな。