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skin separates secret

2020

2020年2月に京都・VOUにて開催されたグループ展「境界線を遡行する」に参加し
二つのスライドショーと、300ページ以上の写真集からなる作品を展示しました。


子供を作ろうと決めた時、決別してしまったと感じた。
これまでの自分の身体や心、生活、私たちが自由に過ごした時間。
この先も連綿と続いていくのかもしれないと思っていたそれらと別れて、絶対に後戻りできない一線を踏み越えるのかと、取り返しのつかなさが恐ろしかったことを覚えている。
体はどんどん変化していった。体の中に他の生き物がいて、それを抱える母体の自分はまるで環境そのものみたいだなと感じた。
体の変化とともに、今までどこかに潜んでいた野生が、これまで育んできた理性を簡単に飛び越えようとしていった。体も感情も自分ではコントロールできないことだらけで私はただただ動揺した。
そんな日々の中、記録を残していくことだけは続けられそうな気がした。
この皮が包み込んでいる、すぐそばにありながら手の届かないほど遠くにある秘密を覗き見れたらと思った。

− キャプションより

作品概要
「slideshow she」 slideshow 15min
妊娠がわかった時から産後の生活が記録されているスライドショー

「slideshow he」 slideshow  17min
妊娠がわかり夫が購入したカメラで撮影された彼の目を通した日々の記録のスライドショー

「skin separates secret」book
当時の日々の変化にまつわる日記と写真が収録されている写真集

記録撮影 片山逹貴