映画とのただならぬ関係

2013.9.17

3日間立て続けに映画を見ている。
日曜に見に行った映画で消化不良を起こして、雨に降られながら家に帰る途中でDVDを借りようと思い立ち
その日の晩のうちに「菊次郎の夏」を見たのが始まりだった。
雨はこれでもかと降り続けて、月曜の朝に鴨川や他の京都中の川を膨れ上がらせていた。

昨日は「マザーウォーター」で、今夜は「ニューシネマパラダイス」。
わたしが借りてきた訳ではないけど、どれもまだ見たことがなかったのでありがたいセレクトだった。

子供の頃、映画が何なのかがよくわからなかった。
たまに親戚のおばちゃんがアニメ映画に連れて行ってくれて、
従兄弟達と一緒に劇場版のドラゴンボールやドラえもんを見ては、
翌週のテレビで死んだはずの悟空が完全に復活して全く別の戦いに勤しんでいたり、
ジャイアンはやっぱりただの乱暴者にもどっていたりして次元が違う物語の進行に混乱していた。
「あんな大きな出来事がなかったことになってる…」という違和感で胸の中がいっぱいだった。

もう少し大きくなってからは、兄達が居間でみている映画をなんとなーく横からみるようになった。まだまだVHSの頃だ。
兄達が家を出て母と二人暮らしになり、仕事で母が不在の間家の中にひとりでいる時間が増えると、映画なんてほとんど見なくなった。
一番近い映画館まで車で30分近くかかるから映画が見たい時にはビデオをレンタルするのがほとんどだったけど、
2時間近く一人でテレビの前でじっと過ごしているとだんだん体がそわそわしてきて、
それが好きではない映画だったりすると最後まで見通すことなんて絶対にできなかった。
結末を迎えるまで我慢することができず、半端になったままの映画が増えていき
映画を見ること自体があまり好きではなくなってしまった。

大学生の頃は、映画好きの友達がなぜかとても多かった。
ある日みなみ会館に大杉漣が来てオールナイトのイベントが催された。「大杉漣ナイト」といって友達と3人連れ立って行った。
バイト明けだったわたしは最初の映画と最後の大杉漣のトーク以外はほとんど眠っていた。でもかっこよかったことだけは覚えている。そのころから映画をみている途中で眠る癖がついてしまった。
それでなくてもいつでもどこでも眠くなったらよく寝ていた。
友達の家で遅くまで遊んでいるときに喋っている真っ最中に眠りに落ちたり、
オールナイトのイベントでダモ鈴木を見にライブハウスに行った時も見ている途中で立ちながら眠ってしまった。

この癖のせいで、一緒に映画を見ている人とその映画を作った人への申し訳なさが募りに募って
映画を見るのがすっかり恐ろしくなって何年か経っていたんだけれど
去年くらいから取り戻すかのように頻繁にみるようになった。
それでもまだ、スターウォーズとか猿の惑星とかジュラシックパークなんかの有名な映画ほどいつでも見れるだろうと思って見逃してしていて、
そんな話題が場を席巻している時わたしの心は無になりぼうっとその場をみつめることしかやることがない。